こんにちわ!
医療ソーシャルワーカーの「たれめ」です。
「回復期リハビリテーション病棟」を探すように言われたけど、どんなところかわからない。どんな疾患(病気)の人が入院できるの?入院期間は?
このような疑問に対して、お答えします。
私は「回復期リハビリテーション病棟」の専従社会福祉士として6年勤務していました。
その経験から回復期リハビリテーション病棟がどのようなところか解説します。
それでは早速いきましょう!
回復期リハビリテーション病棟とは「リハビリが最も積極的に行える病棟」
回復期リハビリテーション病棟の「回復期」というのは、病状の段階、経過時期を表します。
大きく3つに分かれ、急性期→回復期→慢性(維持)期という段階です。
「回復期」は、発症から3-6か月ごろの期間を指します。
病気や怪我の種類は違っていても、自然回復やリハビリテーションによって身体の機能や日常生活動作(ADL)の改善が見込まれる時期をいいます。
急性期-回復期 この時期はリハビリを積極的にすればするほど回復する期間です。
※もちろん損傷した部位や範囲によります。
リハビリをして効果があり、リハビリをしないと寝たきりになってしまう可能性が高い病気やケガを対象に、特別積極的にリハビリを行える病棟。
それが「回復期リハビリテーション病棟」です。
一般的には「内科」「脳神経外科」「整形外科」とか科目別に病棟があると思われがち・・・。
それは急性期病院(最初に救急車で運ばれる病院、または手術をするような病院)に当てはまります。
回復期リハビリテーション病院や療養病院などは、病棟の種別で分かれています。
例えば「一般病棟」は治療を行える病棟。「地域包括ケア病棟」は在宅復帰を支援する病棟。「療養病棟」は長期間入院加療が必要な患者が入院する病棟。といったようにいろいろな病棟が制度上あって、「回復期リハビリテーション病棟」もその中の一つです。
様々な病棟があるなかで「回復期リハビリテーション病棟」は特別に積極的なリハビリテーションが許可されています。1日に2-3時間のマンツーマンリハビリを受けられたり、リハビリに精通した看護師を配置していたり、リハビリに休日がなかったり(他の病棟では土日は休みというのは普通です)、在宅復帰のための支援を受けられます。
入院できる期間(算定上限日数)は病名によって異なります
回復期リハビリテーション病棟には病名によって、算定上限日数(この病棟に入院できる期間)が定められています。
脳卒中や脳外傷は150日。高次脳機能障害があるなど重傷な脳血管疾患は180日。大腿骨骨折や胸椎腰椎の圧迫骨折、手術後の廃用症候群などは90日。筋や靱帯損傷は60日といったように。
詳しくは下に厚生労働省の表を入れていますので参照ください。
疾 患 | 病棟に入院できる期間 |
脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、くも膜下出血のシャント手術後、脳腫瘍、脳炎、急性脳症、脊髄炎、多発性神経炎、 多発性硬化症、腕神経叢損傷等の発症後若しくは手術後の状態又は義肢装着訓練を要する状態 | 150日 |
高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害、重度の頸髄損傷及び頭部外傷を含む多部位外傷 | 180日 |
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節若しくは膝関節の骨折又は二肢以上の多発骨折の発症後又は手術後の状態 | 90日 |
外科手術又は肺炎等の治療時の安静により廃用症候群を有しており、手術後又は発症後の状態 | 90日 |
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節若しくは膝関節の神経、筋又は靱帯損傷後の状態 | 60日 |
股関節又は膝関節の置換術後の状態 | 90日 |
回復期リハビリテーションを要する状態及び算定上限日数(2020度年改定・別表9)
しかし!
入院期間というのは、主治医が患者の状態をみて決定していくものですので、病院の都合や症状、またその人の置かれる環境によっても変わってきます。
病院の都合というのは、病院の稼働の関係で早期退院を促されるということです。
人気がある病院や地域に回復期病棟が少ないと、新規の患者がどんどんきますので、症状が安定したかたは上の上限日数以内で早期に退院の話をされることがあります。
ここら辺は病院や地域によっても違いますので、病院を選ぶときに事前に確認するようにしておきましょう。
Google検索で回復期病棟を探そう
回復期リハビリテーション病棟のことがわかったと思いますが、どこにあるのか?
検索の方法をお伝えます。
実は、回復期リハビリテーション病棟は病院名やホームページからもすぐわからないことが多い印象です。一般のかたは見つけにくいでしょう。
Google検索での調べ方
「〇〇(地域名) 病院 回復期リハビリテーション病棟」
と調べるのが早いでしょう。
または「〇〇病院 回復期リハビリテーション病棟」
と病院名を入れて調べてもいいでしょう。
ホームページでは「施設概要」から「基本診療料」を見ると「回復期リハビリテーション病棟入院料」というのがあれば、その病院に回復期リハビリテーション病棟があることがわかります。
回復期病棟の注意点
回復期リハビリテーション病棟に入院する前に注意することがあります。
じつは、対象病名に該当するのに受けられないということもあります。
それは急性期病院のように診療報酬が出来高ではなく、包括されているため、
高い薬剤を使用していたり、頻繁に入院中他の病院に受診が必要な時は断られることがあります。
また治療を専門ではなく、「リハビリテーション」を積極的に行うことが専門の病棟であるため、まだ発熱を繰り返していたり、外科的処置を要したりといったリハビリテーションを積極的にうけることができない身体状態であれば、まだ入院するのは困難でしょう。
現在急性期病院に入院中であれば、いまの病院の先生や医療ソーシャルワーカーと相談して適切な病院を探しましょう!
対象の疾患になったら「回復期病棟一択」です
上記注意点で症状によって入院(入棟)が難しい場合もありますが、対象の疾患(病気、けが)になったときは回復期リハビリテーション病棟を第一選択とするのが良いでしょう。
何といっても、「リハビリテーションを積極的に行える病棟」の強みは大きいです。
他の病棟ではリハビリテーションの量が違うため、入院が可能なら回復期リハビリテーション病棟のある病院を探すのが良いでしょう。
👇リハビリ病院の選び方はこちらの記事を参照してください!👇
まとめ
回復期リハビリテーション病棟が「積極的にリハビリテーションを行える病棟」であると解説しました。リハビリテーションを行う職種がそろっており、退院支援に関する経験と知識も豊富なので、対象疾患に該当する場合は第一選択として「回復期リハビリテーション病棟」を検討してみてください。
ただし病状や地域によっても状況は異なりますので、入院中の場合は先生や医療ソーシャルワーカーとよく相談しましょう。
たれめ
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